偽善者
ぎぜんしゃ
名詞
標準
hypocrite
文例 · 用例
それらの書物を通して見た老子は妙にじじむさいばかりか、何となく偽善者らしい勿体ぶった顔をしていて、どうも親しみを感ずる訳には行かないので、ついついおしまいまで通読する機会がなく、従って老子に関する概念さえなしにこの年月を過ごして来たのであった。
— 寺田寅彦 『変った話』 青空文庫
人見の奴は口を拭っていやがるが貴様は偽善者だからなあ。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
俺だって貴様、俺だって貴様……とにかく貴様みたいな偽善者は千篇一律だからだめだよ……なあ西山」 牡蠣のような片目が特別に光って西山の方に飛んできた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
……好男子、惜しむらくは兵法を知らず……まあいい、もう行け」「僕も人見君といっしょに君を送ろう」「酔不成歓惨欲別か……柿江、貴様ははじめから黙ったまま爪ばかり噛んでいやがるな……皆な聞け、あいつは偽善者だ。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
「なんじら断食するとき、偽善者のごとく、悲しき面容をすな。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
僕は、ひどい偽善者なのかも知れん。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
知ルヤ、君、断食ノ苦シキトキニハ、カノ偽善者ノ如ク悲シキ面容ヲスナ。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
玉の腕は真の玉よりもよく、雪の膚は雨の結晶せるものよりもよく、太液の芙蓉の顔は、不忍の蓮よりも更に好し、これを然らずと人に語るは、俳優に似たがる若旦那と、宗教界の偽善者のみなり。
— 泉鏡花 『醜婦を呵す』 青空文庫