憂さ
うさ
名詞頻度ランク #15588 · 青空 90 例
標準
gloom
文例 · 用例
なぜならそこには、文化の末路を杞憂させるものがあるからである。
— 萩原朔太郎 『童話と教育について』 青空文庫
時津から早岐まで、哀れげな小蒸気船に乗っての大村湾縦走はただうすら寒い佗しい物憂さの単調なる連続としてしか記憶に残っていない。
— 寺田寅彦 『二つの正月』 青空文庫
私窩子のやるせない憂さ晴しである。
— 岡本かの子 『巴里の唄うたい』 青空文庫
ふる郷を立つときから紅色に萌し始めた人情の胸の中の未練のほむらは子の慕わしさにかき立てられ旅の憂さに揺り拡げられ、こころ一面に燃え盛っている。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
旦那さまだとて金滿家の息子株が藝人たちに煽動られて、無我夢中に浮かれ立つとは事が違ふて心底おもしろく遊んだのではありますまい、いはゞ疳癪抑へ、憂さ晴らしといふやうな譯で、御酒をめし上つたからとて快くお醉ひになるのではなく、いつも蒼ざめた顏を遊ばして、何時も額際に青い筋が顯はれて居りました。
— 樋口一葉 『この子』 青空文庫
そこで、近頃はまだ噂の行き亘らぬ吉原方面に場所を変え、そこを取引先との交際場にも、自分の憂さ晴らしにも使うようになった。
— 岡本かの子 『とと屋禅譚』 青空文庫
憂さも辛さも、糸に掛けて唄っておしまいなさりまし。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……垣の卯の花、さみだれの、ふる屋の軒におとづれて、朝顏の苗や、夕顏の苗…… またうたに、……田舍づくりの、かご花活に、づツぷりぬれし水色の、たつたを活けし樂しさは、心の憂さもどこへやら…… 小うたの寄せ本で讀んだだけでも一寸意氣だ、どうして惡くない。
— 泉鏡太郎 『木菟俗見』 青空文庫
作例 · 標準
例句