仮の名
かりのな
名詞
標準
alias
文例 · 用例
」と衝と寄りて、門番の両手を扼るは、昔関口流皆伝の柔術家、今零落して屠犬児、弥陀平というは世を忍ぶ仮の名にて、本名あるべき親仁なり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
上原とあった門札こそ、世を忍ぶ仮の名でも何でもない、すなわちこれめ組の住居、実は女髪結お増の家と云ってしかるべきであろう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
真実をいえば器も非器も仮の名である、身も心も便宜上の呼称である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
二者即一、一者即二、身心と分け、器分非器分と分けるのもつまりは仮の名である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
余談に渉ったが心・身・器分・非器分の別は実に仮の名である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
仮の名ではあるが、東といい西という名目のあるのは便利である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
三十三年前、予米国ミシガン州アンナボアに佐藤寅次郎氏と野原の一つ家に住み、自炊とは世を忍ぶ仮の名、毎度佐藤氏が拵え置いた物を食って出歩く。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
両国橋が御普請だというので、どんな様子か拝見に出て来たんですよ」「と云うのは、世を忍ぶ仮の名で、占い者にお手の筋を見て貰って……。
— 金の蝋燭 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
彼は素性を隠すために仮の名を使い、酒場の片隅でひっそりと暮らしていた。
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「おい、俺をその仮の名で呼ぶのはよしてくれ。慣れなくてどうも寒気がする。」
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潜入捜査官は、偽造された身分証に記された仮の名を何度も頭の中で復唱した。
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作家は本名を伏せ、風変わりな仮の名を用いて作品を世に送り出した。
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