胸開き
むねあき
名詞
標準
文例 · 用例
かちより往きてやうやう一日ほどの処なれど、はやアルペン山の近さを、唯何となく覚えて、このくもらはしき空の気色にも、胸開きて息せらる。
— 森鴎外 『うたかたの記』 青空文庫
「うらみわび胸あきがたき冬の夜にまたさしまさる関の岩かど 言いようもない冷たいお心です」 と言って、それから泣く泣く出て行った。
— 夕霧二 『源氏物語』 青空文庫
そのままの距離で二人は二三歩あるいて来ると、派手な水色で胸あきのひろい服をつけたエレーナ・ニコライエヴナがわざとらしくはしゃいだ調子で、「まあ思いがけないですこと!
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
それを脱げば、下は喧嘩の身支度になっていることは、胸あきからトックリ・スェーターの衿が見えているのでもわかる。
— 久生十蘭 『あなたも私も』 青空文庫