御自分
ごじぶん
名詞
標準
文例 · 用例
お母さんはただただ御自分の悪い様にばかりとっているけれど、お母さんとて精神はただ民子のため政夫のためと一筋に思ってくれた事ですから、よしそれが思う様にならなかったとて、民子や私等が何とてお母さんを恨みましょう。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
あなたは、御自分の事では、ひどく、むだ使いをなさるのに、人の事には、いつでも知らん顔をなさって居ります。
— 太宰治 『きりぎりす』 青空文庫
だらしがないねえ等と、それはもう、とめどもなく、聞いているあたしのほうで泣きたくなる程、御自分の事を平気で、あざ笑いつづけるのです。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
そうかと思うと一時間も鏡の前に立って、御自分のお顔をさまざまにゆがめて眺めていらっしゃる事もございます。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
お情が深いから、御自分を、もてあましてしまって、お心もお言葉も乱れるのです。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
あなたは、いつでも御自分を悲劇の主人公にしなければ気がすまないらしいのね。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
だって、あなたは、敵もいないのに敵の影を御自分の空想でこしらえて、油断がならん、うっかりするとだまされる等と、深刻がっていらっしゃるのですもの。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
本当に、御自分の悪いところが、そんなにはっきり、おわかりなら、ただ、御自分を嘲って、やっつけてばかりいないで、いっそ黙ってその悪いところをお直しになるように努められたらどうかしら。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫