打ち振る
うちふる
動詞-五段-ラ行
標準
to brandish
文例 · 用例
――然し仲々、これは佳き運動らしい、第一、青空の下、紺碧の海原へ向つて、縦横に風を切りながら旗を打ち振る旗手の胸の爽やかさを想像すれば、私といへども空飛ぶ鳥と想ひを交す底の恍惚境に誘はれました。
— 牧野信一 『満里子のこと』 青空文庫
ルルが是非とも、それを実験して見たいと云ふので、僕は捕虫網を五月の鯉のぼりのやうに軽く打ち振ると、風船虫の群はまるで大鯨に呑まれる小魚のやうに、網の胴なかに吸ひ込まれました。
— 牧野信一 『サンニー・サイド・ハウス』 青空文庫
そこで鶏は今も土を踏みしめて歩き、鶺鴒は土を叩くように尾を打ち振るのだとアイヌ人は言い伝うと。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
若者の叫ぶ声が、桟橋の上で打ち振るハンケチの時々ぎらぎらと光るごとに、葉子の頭の上に張り渡された雨よけの帆布の端から余滴がぽつりぽつりと葉子の顔を打つたびに、断続して聞こえて来るように思われた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
』斯くてゲーレスは窓打ち見上げて莞爾と笑めば(with a bright smile)、リオノルス姫も笑みを返へして(smiled in return)其の手を打ち振る。
— KING ARTHUR'S ROUND TABLE 『アーサー王物語』 青空文庫
その前に突立っている呉一郎も、最初の場面の通りに微笑を含んで、両手をうしろに廻したまま、老人の打ち振る鍬の上げ下しを一心に見守っているが、僅か一箇月ほど経過した間にスッカリ色が白くなって、肉が丸々と付いているのは、その間じゅう穴掘りの労働を中止して、自分の室……第七号室に閉じ籠っていたからであろう。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
喋る時、目を細くして頭を左右に打ち振るのが彼の特長であった。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
郷民達の叫喚、馬の蹄の音、打ち振る得物の触れ合う音、その得物の閃めく光、馬の蹄に蹴上げられて、煙りのように立つ茶色の砂塵、――それらのものが茅野雄を巡って、茅野雄を埋没させようとした。
— 国枝史郎 『生死卍巴』 青空文庫
作例 · 標準
例句