禅模
ぜんかたぎ
名詞
標準
文例 · 用例
友禅模様のごくいきなのにしてお呉れ。
— 宮沢賢治 『林の底』 青空文庫
部屋にはいると、赤い友禅模様の蒲団を掛けた炬燵が置いてあり、風呂もすぐにはいれ、寒空を歩いてきた安子にはその温さがそのまま折井の温さかと見えて、もういやな奴ではなかった。
— 織田作之助 『妖婦』 青空文庫
そこに友禅模様の肩当てをした夜着の襟から、口元などのきりりとした浅井が寝顔を出していた。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
」 彼女はもう古くなつた友禅模様の縮の単衣を着て出たが、こゝの晩方の陽気には少しぺら/\しすぎてゐた。
— 徳田秋聲 『芭蕉と歯朶』 青空文庫
今度は前と違って、吉原の花魁の裲襠を見るような派手なけばけばしい扮装で、真っ紅な友禅模様の長い裾が暑苦しそうに彼女の白い脛にからみついた。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
さらば友禅模様ある紫縮緬の半襟に韜まれたる彼の胸を想へ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
未亡人も友禅模様の長繻絆をしどけなく着て私の枕元に横坐りをしている。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
広い天井一パイの花や紅葉の間に昼夜輝く電燈の下を、十七八から二十歳前後の揃いも揃ったのが二十人程、友禅模様に白エプロンの結び目高やかに右往左往している。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫