及び難い
およびがたい
形容詞
標準
hard to attain to
文例 · 用例
如何となれば、夢みつゝある時と、未だ夢みざる時との、其の人の事情が境遇や心理は殆ど同樣であるのに、一二時間前は夢みず、一二時間後は夢みる、其の所以如何といふことは、心理の上では解釋に及び難い理で有るから、是非も無いのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
実際花房の気の付いた通りに、翁の及び難いところはここに存じていたのである。
— 森鴎外 『カズイスチカ』 青空文庫
白鳥、小剣諸君の作には、しかしちよつと及び難いものがある。
— 田山録弥 『小説新論』 青空文庫
また、思想がその中に巧に含ませられてあるといふことなども及び難いとは思はない。
— 田山録弥 『作者の言葉』 青空文庫
――さういつたやうな部分部分の味はひには、それぞれ他の及び難い美しさと誇りとを持つてゐましたが、壺そのものの全体から光のやうに放射してくる「品格の高さ」と「器のたましひ」とになると、とてもこれとは比べものにならないやうに思ひました。
— 薄田泣菫 『小壺狩』 青空文庫
そう思いだすと、酒井君の英語の発音は私と較べ垢抜けしてるような気がし、彼がテニスの鋭いサーヴをする仕方も、及び難い洗練がある気がした。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
これこそ又僕等に――少くとも僕に最も及び難い特色である。
— 芥川龍之介 『文芸的な、余りに文芸的な』 青空文庫
それ等は、いかなる名工といえどもとうてい及び難い、自然力の微妙な細刻に相違ないのである。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫