長裃
なががみしも
名詞
標準
文例 · 用例
服装のことなど、教えてないはずだから、場違いの長裃でも着けていはしまいか――そうだと面白いのだが、と、吉良が、美濃守の姿を求めると、立派に大紋烏帽子だった。
— 林不忘 『元禄十三年』 青空文庫
芝居道でいえば、「寺子屋」の春藤玄蕃が赤い裃を着て威張ったり、「鎌倉三代記」の時姫がお振り袖をジャラジャラさせ、「妹背山」の鱶七が長裃を着けるのと、同じ筆法と御許しを願いたい。
— 平次身の上話 『随筆銭形平次』 青空文庫
すると長裃でよろしかろうという返事なので一応そのようにとりきめたものの、度重なる前例もあることである。
— 尾崎士郎 『本所松坂町』 青空文庫
またしても上野介の策謀にひっかかるのではないかという気がしたので、浅野家の重役一同相談の上、いざというときの用意をして、長裃で登場してみると果せるかな、列席の諸大名はじめ同僚の接待役一人として長裃をつけているものはない。
— 尾崎士郎 『本所松坂町』 青空文庫
高家の達しで、式服は長裃と定めていた。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
『晴れの大礼に、長裃の御着用は、心得ませぬ。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
『あいや、吉良どの』『ほう、遅い御出仕』『お指図によれば、今日は長裃との仰せでござったが、諸侯、一名の洩れもなく、烏帽子大紋でござる故、それがしも、かように着替えました。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
「――これはこのあたりのものでござる――」 藍の長上下、黄の熨斗目、小刀をたしなみ、持扇で、舞台で名のった――脊の低い、肩の四角な、堅くなったか、癇のせいか、首のやや傾いだアドである。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫