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感念

かんねん
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかれどもこの小児的の感念は遠からずして破砕せられたり、余は基督教会は善人のみの巣窟にあらざるを悟らざるを得ざるに至れり、余は教会内においても気を許すべからざるを知るに至れり、しかのみならず余の最も秘蔵の意見も、高潔の思想も、勇壮の行績も、余をして基督教会に嫌悪せしむるに至れり。
内村鑑三 基督信徒のなぐさめ 青空文庫
しかしこれも我兒ゆゑと感念したか如何だか知んが辛棒して其まゝ坐つて居た。
国木田独歩 怠惰屋の弟子入り 青空文庫
野心も功名もむしろ心外いっさいの欲望も生命がどうかこうかあってのうえという固定的感念に支配されているのだ。
伊藤左千夫 去年 青空文庫
予は後から二児の姿を見つつ、父という感念がいまさらのように、しみじみと身にこたえる。
伊藤左千夫 紅黄録 青空文庫
肉體に勇氣が滿ちてくれば、前途を考へる悲觀の感念も何時しか屏息して、愉快に奮鬪が出來るのは妙である。
伊藤左千夫 水害雜録 青空文庫
八人の兒女があるといふ痛切な感念が、常に肉體を奮興せしめ、其苦痛を忘れしめるのか。
伊藤左千夫 水害雜録 青空文庫
乍併只それより前に一度小室に動いた感情が、跡から現れた忍男がよしや小室に十倍勝つてゐたにせよ、小室といふ感念が容易に手古奈の胸中より消え去るべきものでない。
伊藤左千夫 古代之少女 青空文庫
われは此書を評すとは言はず、只だ奥州より帰りて二日、机上の一冊子を取つて読みしもの、即ち此書にてありければ、読過する数時間に余が脳中に浮び出たる感念を其儘筆に任せて書き了り、思量する暇もあらず、冷罵の事、諷刺の事、当らざるの説多からむ。
北村透谷 「油地獄」を読む 青空文庫