臆断
おくだん
名詞
標準
文例 · 用例
夫子が強ちに爾き道義的|誤謬の見解を下したるは、大早計にも婦人を以て直ちに内政に参し家計を調ずる細君と臆断したるに因るなり。
— 泉鏡花 『醜婦を呵す』 青空文庫
もし古来の科学者が、「試み」なしの臆断を続けたり、「試み」の結果を判断する合理的の標準なしに任意の結論を試みたり、あるいは「試み」に伴なう怪我のチャンスを恐れて、だれも手を下す事をあえてしなかったら、現在のわれわれの自然界に関する知識と利用収穫は依然として復興期以前の状態で足踏みをしていたであろう。
— 寺田寅彦 『比較言語学における統計的研究法の可能性について』 青空文庫
自分はできるだけ根拠なき臆断と推理を無視する空想を避けたつもりである。
— 寺田寅彦 『比較言語学における統計的研究法の可能性について』 青空文庫
しかし行文の間に少しでも臆断のにおいがあればそれは不文の結果である。
— 寺田寅彦 『比較言語学における統計的研究法の可能性について』 青空文庫
なんとならば、科学は畢竟「経験によって確かめられた臆断」に過ぎないからである。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
われわれはここではただエピキュリアンのこれらの驚くべき偉大なる臆断を嘆美すればよい。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
自分は芭蕉時代の連句がいかなる統率法によって行なわれたかという事についてなんらの正確な知識をもたないのであるが、少なくも芭蕉の関与したものである限り、いずれも芭蕉自身がなんらかの意味において指揮棒をふるうてできたものと仮定してもおそらくはなはだしい臆断ではないであろうと思う。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
ただ自分がそうであるからとて、人もそうであると臆断するのがよくないと思う。
— 伊藤左千夫 『去年』 青空文庫