貸し渡し
かしわたし
名詞
標準
文例 · 用例
物頭は樋橋下の民家を三軒ほど貸し渡して松本勢の宿泊にあてた。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
前年の冬には宿駅救助として宮の越、上松、馬籠の三宿へ六百両ずつを二か年度の割に貸し渡し、その年の正月には木曾谷中へ五千両をお下げ金として分配した。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
「質主と申者御座候、武器、衣類、大小、道具等右質屋へ預り其値半減、或は三分の一の金高を貸渡、利分は高利にて請取候、武家にても極難儀にて金子才覚仕候ても、貸呉候者御座無候節は」 という有様であった。
— 直木三十五 『近藤勇と科学』 青空文庫
ペートルスボルグ滞在中は日本使節一行の為めに特に官舎を貸渡して、接待委員と云う者が四、五人あってその官舎に詰切りで、いろ/\饗応するその饗応の仕方と云うは頗る手厚く、何に一つ遺憾はないと云う有様。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
六十町余の田を五反、八反ずつ、近村の農家に貸渡して、今では五町と畠一町を作るばかりだが、十年前には三十何町を自分で小作したこともある。
— 柳田国男 『雪国の春』 青空文庫