念を入れる
ねんをいれる
表現動詞-一段
標準
to take great care (in doing)
文例 · 用例
そして、なほも警戒するやうに念を入れるやうに穴のまはりを歩きまはつてゐたが、やがてひよいと飛び上ると、蜘蛛の死骸をくはへて再び穴の所へ舞ひもどつて來た。
— 南部修太郎 『畫家とセリセリス』 青空文庫
あの黒門を潜らっしゃるなら、覚悟して行かっせえ、可うがすか、と念を入れると、(いやその位の覚悟はいつでもしている。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
尠からず悩まされて、自分にお蔦と云う弱点があるだけ、人知れず冷汗が習であったから、その事ならもう聞くまい、と手強く念を入れると、今夜はズボンの膝を畏っただけ大真面目。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
そんなら私がもっと物に念を入れる性質で、もっと時間に余裕のある境遇にいたら、誤訳をしないだろうかと云うに、私はそうは思わない。
— 森鴎外 『不苦心談』 青空文庫
しかし、事はいやしくも犯してならぬ性の秘密にかかわっていましたので、念には念を入れるためから、一瞬、――右門は腰をひねって手だれの蝋色鞘をさッと抜いて放つや、そこにはいりきたろうとした陽吉の足もとめがけて、まずきらりとそれなる抜き身をさしつけました。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
また彼女の変痴気趣味が出たな……ぐらいにしか考えなかったが、それでも、そうした彼女の姫草ユリ子に対する疑いが、何かしら容易ならぬ大事件になりそうな予感だけはハッキリと感じたから、念には念を入れるつもりで私は、彼女の考えを一応、検討してみる気になった。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
いくら名医と申しましても、やはり人間である以上誤診ということは免れ得ませんが、T先生は平素、念には念を入れる性質でしたから、滅多に誤診はなく、たまたまあっても、患者の生命に少しの影響をも及ぼしませんでした。
— 小酒井不木 『手術』 青空文庫
つまり資本主義文化の啓蒙活動に於て著しく後れていた当時のドイツは、啓蒙なるものをまず新しい憧憬すべき観念として受け取らねばならなかったのであるがそれだけに啓蒙に就いての理論的分析に念を入れることも出来たし、啓蒙思想の体系的発展をも試みる理由を有ったわけだ。
— 戸坂潤 『啓蒙の現代的意味と役割とについて』 青空文庫
作例 · 標準
大事なプレゼンの資料だから、念を入れて最終チェックをした。
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壊れやすい荷物なので、配送の際は念を入れて梱包してください。
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彼は契約書の内容を一つ一つ念を入れて確認していた。
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