写
うつし
名詞
標準
文例 · 用例
外国の婦人のまだうら若きと見ゆるが靴の上に草鞋をはき、一人は橋の上に立ち、一人は岩に腰うちかけて絵など写すめり。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
さりとて誰にこの苦悶を話しようもなく、民子の写真などを取出して見て居ったけれど、ちっとも気が晴れない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
それが政さん、あなたの写真とあなたのお手紙でありまして……」 お祖母さんが、泣き出して、そこにいた人皆涙を拭いている。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
民子は僕の写真と僕の手紙とを胸を離さずに持って居よう。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
(我が国において、古くからかような音単位を意識していたことは、歌の形がかような単位の一定数から成立つ句を基本としていること、ならびに、仮名が、その一つ一つを写すようになっているによっても知られる。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
当時は文字としては漢字のみが用いられたので、当時の音韻の状態を知るべき根本資料としては、漢字をもって日本語の音を写したものだけである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
一 奈良朝の音韻組織 奈良朝時代の文献の中に、国語の音を漢字(万葉仮名)で写したものを見るに、同じ語はいつも同じ文字で書いているのではなく、種々の違った文字をもって写している。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
同じ語の音の形はいつも同じであったと思われるから(もっとも、活用する語にはいくつかの違った形があるが、それでも、その一つ一つの活用形は、いつも同じ形である)、これを写した万葉仮名は、いろいろ文字が違っていても、皆同じ音を表わすものと認められる。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫