幻辞.com

居住者

きょじゅうしゃ
名詞
1
標準
resident
文例 · 用例
もう少し行くと路地の角の塀に掛けた居住者姓名札の中に「寒川陽光」とあるのが突然眼についた。
寺田寅彦 子規自筆の根岸地図 青空文庫
複雑な地形はまた居住者の集落の分布やその相互間の交通網の発達に特別な影響を及ぼさないではおかないのである。
寺田寅彦 日本人の自然観 青空文庫
八月になると旱つづきで、さなきだに水に乏しいここら一帯の居住者は、水を憂いずにはいられなくなった。
大久保にて 郊外生活の一年 青空文庫
日が暮れてアパートの居住者がそれぞれの勤先から帰って来る頃、佐伯は床を這いだして街へ出て行くのだが、町へ出るにはどうしてもその道を通らねばならないと思うと、業苦を背負ったように憂欝になってしまう。
織田作之助 青空文庫
アパートの表を真っ直ぐに通じているかなり広い道があり、居住者が時どきその道を通って帰って来るのを佐伯は見たことがある。
織田作之助 青空文庫
芝の桜川町付近が市区改正で取拡げられることになって、居住者は或る期間にみな立退いた。
岡本綺堂 月の夜がたり 青空文庫
万事がこのていであるから、その荒涼たる光景は察するに余りありともいうべきであるが、その当時は東京市中にもこんな化物屋敷のような家がたくさんに見いだされたので、世間の人も居住者自身も格別に怪しみもしなかったらしい。
岡本綺堂 青空文庫
所で、今の私にとって、其の「直接に感じられるもの」とは何か、といえば、それは、「私が最早一旅行者の好奇の眼を以てでなく、一居住者の愛著を以て、此の島と、島の人々とを愛し始めた」ということである。
中島敦 光と風と夢 青空文庫