美言
びげん
名詞
標準
文例 · 用例
先生は「僕は自分の自由を重んづるからすべての人の自由を重んじたい」と云ふTの言葉を美言と仰云ひましたね、けれども先生はそれが本当に解つてお出にならないのだと思ひます。
— 伊藤野枝 『S先生に』 青空文庫
法の悟りを得んとするものに美言佳句が何の役に立とう。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
美言佳句に興ずるごときものは「ただ言語ばかりを翫んで理を得べからず」。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
これは近代の禅僧が頌を作り法語を書かんがために文筆を練るのを斥けて、美言秀句に心を捕えられることなく直接端的に自己の精神を表現すべきことを奨めた言葉である。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
わけて十兵衛光秀は、慰撫の使いとして、これへ参り、おれには美言を以てなぐさめていたが、君前へもどったら、どう復命しておるやら知れぬ。
— 第五分冊 『新書太閤記』 青空文庫
などという美言が巧妙につらねてある。
— 江戸の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫
だが決して、そうとはいわず、また考えるでもなく、我には当然な天職と思いこんで、その執権の座に、衆臣の畏伏や美言をそのまま信じている高時が、金沢ノ老大夫には一そうあわれでならなかったのだ。
— 新田帖 『私本太平記』 青空文庫
彼女が天皇の寵をもっぱらにする後宮第一の女性であり、またさかんに賄賂を容れ、美言をよろこぶ質のひとであったことは、諸書、どれに照らしても一致している。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫