見誤り
みあやまり
名詞
標準
文例 · 用例
思ふにこの事件は、室生君が卓の遠く離れた地位に居た爲に、私と岡本君との問答してゐる光景を見て、何か私が不當の暴行でも受けてゐるやうに見誤り、友人の一大事として決死的に突進して來たのである。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
なぜなら EL のEは、Fの見誤りで、次にあるDの字は、腐肉に現われた自然の斑文。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
ここで大胆に再び振返ると、女の顔は傘にかくされてやはり見えないが、その着物は確に白地で、桔梗の中形にも見誤りはなかった。
— 岡本綺堂 『御堀端三題』 青空文庫
その後の模様で見ると、どうやら私の見誤りらしいです。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
「まあ、私の見誤りで済んでよかつた。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
」 予言者の見誤りぢやない、神様の「改心」である。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
」 フアウスト「君はあの犬が大きな螺線状の輪を描いて吾々に近づいて来るのに気がつかぬか、若し僕の見誤りでなければ、彼奴は一条の火の尾を引いてゐるが……」……………… 倉市「橋場のお医者が街から帰つて来るんだよ。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
そこで裁判長から、証人に対して時間の点や、被告と対決さしてその人相に見誤りはないかなぞと念押しがあり、検事さんと弁護士の押問答があって、結局判決は次回に廻されたんです。
— 大阪圭吉 『あやつり裁判』 青空文庫