没風
ぼつふう
名詞
標準
文例 · 用例
画工であればこそ趣味専門の男として、たとい人情世界に堕在するも、東西両隣りの没風流漢よりも高尚である。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
その没風流に比興した聾の夷神で名高くもなつた。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
故宅と言えば風流なれど、今は郵便局の横町にある上、入口に君子自重の小便壺あるは没風流も亦甚し。
— 芥川龍之介 『北京日記抄』 青空文庫
其にしても、没風流の上に、ものゝあはれを度外視して、うき世に沈湎する人・悟り得ぬ不信者など云ふ義はあつた。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
風流を以て今宵をはじめた二人の風流人は、極めて没風流な用向を兼ねて、関ヶ原の真中の夜に没入してしまいました。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
立ち去らむとするに臨み、裸男幹事の槇園君に向ひ、『會費を』と云へば、槇園君嗔りて、『花の下に金錢を計算する沒風流あらむや』といふに、裸男閉口して頭を掻く。
— 大町桂月 『梅の吉野村』 青空文庫