荒み
すさみ
名詞
標準
文例 · 用例
その頃此の国の詩壇は傷ましくも荒みきつて居た。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
荒みにすさんだ心に、落ちる一滴の涙は、どんなに悲しいものであるか。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
時には世に反く孤高の聖者の如く、時には荒み果てた心冷かな廢人の如く、北國の自然は常に彼と離れて立つてゐる。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
さらにまた、N君はべつな本をひらいて私に見せたが、それには、「翌天保四年に到りては、立春吉祥の其日より東風頻に吹荒み、三月上巳の節句に到れども積雪消えず農家にて雪舟用ゐたり。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
(原文八行缺)」 しかしその間にも生活は惡くなつて行き、心は荒み、頭も濁つて行くやうであつた。
— 島木健作 『第一義の道』 青空文庫
せかせか出て行った今のおゆうの姿や、おゆうを待受けている鶴さんの、この頃の生活に荒みきった神経質な顔などが、目について来た。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
お大の荒み出した感情は益す荒むばかりだ。
— 徳田秋聲 『絶望』 青空文庫
あはれ、ひと日、木の葉ちらし吹き荒みたる風も落ちて、夕日はなやかに、こほろぎ啼く。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫