整美
せいび
名詞
標準
文例 · 用例
よしんば傲慢や冷酷はあっても、あれほど整美された人格が、真性の孤独以外に求められようとは思われませんな。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
換言すれば、ある一つの仕事を熱心誠実にくり返していると、その心境なり、その動作なりが、イツ知らず純一崇高化して来て、自然と能の型の均整美に接近して来るのだ。
— 夢野久作 『「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能』 青空文庫
即ちこれを詩章の竜葢帳中に据ゑて、黒衣聖母の観あらしめ、絢爛なること絵画の如き幻想と、整美なること彫塑に似たる夢思とを恣にしてこれに生動の気を与ふ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
即ち之を詩章の龍葢帳中に据ゑて、黒衣聖母の觀あらしめ、絢爛なること繪畫の如き幻想と、整美なること彫塑に似たる夢思とを恣にして之に生動の氣を與ふ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
それはつまり、日本人の生活様式がより自然の理法に適つてゐ、例へば穀物を主食物とし、膝を折つて坐るといふやうなことが、筋肉の布置を最も円満にし、関節の機能を十分に発達させ、西洋人にはみられない安定な均整美を作り出してゐるうへに、戦争に強い原因ともなつてゐるといふことを熱心に説いたものであつた。
— 岸田國士 『或る風潮について』 青空文庫
優劣をきめるとしたら、まあ、均整美といふことが標準になるね。
— ――または 海女の女王はかうして選ばれた―― 『道遠からん 四幕』 青空文庫
……僕が寺院建築を愛すのはまだそのほかにも色々理由はあるでせうが――僕は寺院建築の均整美も愛してゐます。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
僕は寺院建築の均整美ほど荘厳が同時に孤独と静寂に結びついた姿をほかに見出すことができないのです。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫