某女
ぼうじょ
名詞
標準
文例 · 用例
で、某女学院出の才媛である。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
その友人は、私の大学時代の謂わば学友で、いまは某女子大の講師をしているのであるが、実は私はこの友人に私の身内の者の縁談を依頼していたので、その用事もあり、かたがた何か新鮮な海産物でも仕入れて私の家の者たちに食わせてやろうと思い、リュックサックを背負って船橋市へ出かけて行ったのである。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
作者は一年ほどこの母ほども年上の老女の技能を試みたが、和歌は無い素質ではなかったが、むしろ俳句に適する性格を持っているのが判ったので、やがて女流俳人の某女に紹介した。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
真夏の頃、すでに某女に紹介して俳句を習っている筈の老妓からこの物語の作者に珍らしく、和歌の添削の詠草が届いた。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
しかし、一方ではまた、先生が好きであったと称せらるる某女史の顔は、これらとは全くタイプのちがった純日本式の顔であった。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
お繁さんは東京の某女学校を卒業して、帰った間もなくで、東京なつかしの燃えてる時であったから、自然東京の客たる予に親しみ易い。
— 伊藤左千夫 『浜菊』 青空文庫
しかも某女といえるは米国に先行せる婚約の夫まである身分のものなり。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
然し友人はまだ某女學校の國語漢文教師であつて、僅かの俸給によつて、夫婦に子供ふたりの生計を立てて行く人――交際も狹からうし、また義雄一個がその生計の一部分に影響しては、苦しい事情があるかも知れない。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫