御物
ぎょぶつ
名詞
標準
Imperial treasures
文例 · 用例
とかくして食事終れば、續きてはじまる四方山の御物語。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
あれは、五月のなかば、いいお天気の日でございましたが、尼御台さまは御奥へお越しなされて、将軍家と静かに御物語をなされ、私も謹んでお傍に控へて居りましたが、まことにのどかな、合掌したいくらゐの御立派な御賢母と御孝子、仕へるわが身のさいはひをしみじみ思ひ知りました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
左衛門尉義盛さまは老いの眼に涙を浮べておよろこびになつて居られましたが、私はそのとしの五月なかば、あのお天気のよい日に、のどかに御物語をなされてゐた御母子の美しく尊い御有様を忘れてはゐませんでしたので、子供心にもちよつとはらはら致しました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
御相図と承わり、又御物ごしが彼方様|其儘でござりましたので、……如何様にも私を御成敗下さりまして、……又此方様は、私、身を捨てましても、御引取いただくよう願いまして、然よう致しますれば……」と、今まで泣伏していた間に考えていたものと見えて、心有りたけを澱みなく言立てた。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
剩へ野町、野田寺町、地黄煎口、或は鶴來往來より、野菜を擔荷ひて百姓の八百物市に赴く者、前後疾走相望みて、氣競の懸聲勇ましく、御物見下を通ること、絡繹として織るが如し。
— 泉鏡花 『鐵槌の音』 青空文庫
その所産、「春日の鹿」「正倉院御物抄」。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
御物語の祕事と覺しきには、後に心付きしが、せんすべなかりしなり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
されど哀れ深き御物語を聞きつとこそ思ひまゐらすれ、人に告ぐべきにはあらねば、惡しく思ひ取り給ふなといふ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
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御物 は、日本の皇室の私有品になっている絵画、書跡、刀剣などである。
出典: 御物 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0