来町
らいまち
名詞
標準
文例 · 用例
不遇傲岸に見える小布施は、案外、時流に神経質で、十六七年も前桂子と同門で矢来町のY――先生の画室に預けられてゐた時分から、逐次独立するまで、後期印象派、ダヾ、表現派、新古典、超現実派と、およそ日本で尖端的に見える画風は魁けしてこれを取り入れ、通俗派の方面にぶつかつて行つた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
寓所ハ牛込|矢来町三番地|字中ノ丸丙六〇号」とある。
— 寺田寅彦 『子規自筆の根岸地図』 青空文庫
帰朝当座の先生は矢来町の奥さんの実家|中根氏邸に仮寓していた。
— 寺田寅彦 『夏目漱石先生の追憶』 青空文庫
四月十五日 夜来の雨が晴れを残していつた、行程二里、福岡へ予定の通り入つた、出来町、高瀬屋( ・中)この町――出来町――はヤキとヤキを得意とする店ばかりだ(久留米の六軒屋と共に九州のボクチン代表街だ)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
このあたりを勘六といふ、面白い地名である、そして安宿の多いのには驚ろいた、三年ぶりに歩いてみる、料理屋などの経営難から、木賃宿の看板をぶらさげてゐるのが多い、不景気、不景気、安宿にも客が少いのである、安宿がかたまつたゐるのは、九州では、博多の出来町、久留米の六軒屋、そしてこの勘六だらう。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
四 時雄は例刻をてくてくと牛込矢来町の自宅に帰って来た。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
矢来町の時雄の宅、今まで物置にしておいた二階の三畳と六畳、これを綺麗に掃除して、芳子の住居とした。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
東京に着くとすぐ、僕は牛込矢来町の、当時から予備か後備かになっていた退役大尉の、大久保のお父さんを訪ねた。
— 大杉栄 『自叙伝』 青空文庫