観音経
かんのんぎょう
名詞
標準
Avalokitesvara Sutra
文例 · 用例
」 観音経を唱えていた神経衰弱の伍長が、ふと、湯呑をチンチン叩くのをやめた。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
観音経をやりながら、ちょい/\頓狂に笑う伍長をのけると、みんな憂鬱にベッドから頭を上げなかった。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
伍長は、手箱の湯呑をいじっていたが、観音経は忘れたかのように口にしなかった。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
へえ、そうですか、と観音経は、馬鹿にし切ったような顔で、そっぽを向いて相槌を打ち、何もかも観音のお力にきまっていますさ、と小声で呟き、殊勝げに瞑目して南無観世音大菩薩と称えれば、やあ、ぜにはあった!
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
玄関の左には人間愛道場掬水園の板がかかり、ふり仰ぐと雀のお宿の大字の額に延命十句観音経まで散らして彫り、右には所用|看鐘として竹に鐘がつるしてあり、下には照顧脚下と書してある。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
言葉の如く庫裡に入りて笈を卸し、草鞋を脱ぎて板の間に座を占め、寺男の給仕する粟飯を湯漬にして、したたかに喰ひ終り、さて本堂に入りて持参の蝋燭を奉り、香を焚きて般若心経、観音経を誦する事各一遍。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
僕はかの観音経を読誦するに、「彼の観音力を念ずれば」という訓読法を用いないで、「念彼観音力」という音読法を用いる。
— 泉鏡花 『おばけずきのいわれ少々と処女作』 青空文庫
蓋し僕には観音経の文句――なお一層適切に云えば文句の調子――そのものが難有いのであって、その現してある文句が何事を意味しようとも、そんな事には少しも関係を有たぬのである。
— 泉鏡花 『おばけずきのいわれ少々と処女作』 青空文庫
作例 · 標準
祖父の法要で、お坊さんが朗々と観音経を読み上げる声が古い本堂の隅々にまで響き渡った。
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「観音経の教えは、どんな苦難にあっても観音様を念じれば救われるというものだから、昔の人はお守り代わりに唱えたんだよ。」
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船乗りたちは航海の安全を祈り、時化で海が荒れる夜には必死で観音経を唱えて慈悲を乞うたという。
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毎朝、仏壇の前で観音経を写経して、亡くなった両親への供養とするのが彼女の十年来の日課だ。
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