逆蜻蛉
さかとんぼ
名詞
標準
文例 · 用例
学円 何が今まで我慢が出来よう、鐘堂も知らない前に、この美い水を見ると、逆蜻蛉で口をつけて、手で引掴んでがぶがぶと。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
越後の角兵衛逆蜻蛉、権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる、オヤほんとにどうしたね、お前待ち待ち蚊帳の外、十四の時から通わせていまさら厭とは胴欲な、……などと大変な騒ぎになった。
— 国枝史郎 『善悪両面鼠小僧』 青空文庫
市「何をする」 と逆に取って岡山の胸をポーンと突くとコロ/\/\/\ッと彼のどうも深い谷川へ逆蜻蛉をうって五長太が落ちますと、桑原治平はこれを見て驚き駈下りたが、嶮しい坂でありますから踏み外してこれも転り落ちました。
— 三遊亭圓朝 『霧陰伊香保湯煙』 青空文庫
ただ腕を剥き出した男が四五人、逆蜻蛉を打つと皆引込んでしまった。
— 魯迅 『村芝居』 青空文庫
わたしは格別、逆蜻蛉を見たいとも思わなかった。
— 魯迅 『村芝居』 青空文庫
」 山陽は事によつたら魚の字など逆とんぼになつたつて構はないやうな調子で答へた。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
しかし――そのことばと一しょに、目のまえの炉のなかへ、ひとりの試合役人が逆とんぼを打って灰神楽をあげたのを見ると、かれはけつまずきそうになって、狩屋建の小屋の裏へ逃げだしていた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
鐘巻自斎様、わっしは由良の伝吉でごぜえます――とだけでは、お覚えはございますめえが、つい後月、丹後の湧井郷で、河の中へお前さんのために、逆とんぼを打って、抛り込まれた野郎です」「おお、あの時の血気者か。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫