奥庭
おくにわ
名詞
標準
inner garden
文例 · 用例
ここから精進口の登山新道、三合目へ下りることが出来て、途中に中庭、奥庭などを通過するそうだ。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
ですからこれまでも、田口の者が六蔵はどこへ行ったかと心配していると、昼飯を食ったまま出て日の暮れ方になって、城山の崖から田口の奥庭にひょっくり飛びおりて帰って来るのだそうです。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
チトお話が荒う御座いますが、何にせい博多中の恵比寿講の帳面を預っておりますので、帳面合わせとか、金勘定とか申しまして、時々奥庭の別|土蔵の二階でチャランチャラン遣っているのが、真夜中になると微かに聞こえます。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
四五日続いた曇天に、茅で葺かれた収穫蔵の屋根も、その前面から広くとって、ずっと奥庭との境の垣根まで続いて春や秋、の頃の収穫物を干し乾かす場所に宛ててある外庭の土も、皆一様に灰色に、いじけて下駄の歯で荒らされた地面の上などは、こぶこぶのまま、凍り固まって居るのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
初夜も過ぎた屋根越に、向う角の火災保険の煉瓦に映る、縁結びの紅い燈は、あたかも奥庭の橋に居て、御殿の長廊下を望んで、障子越の酒宴を視める光景!
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
何ですよ、奥庭に有った手水鉢を見ましたがね、青銅のこんな形、とお鹿の女房は仕方をして、そして竜の口を捻ると、ザアです。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 湯の谷もここは山の方へ尽の家で、奥庭が深いから、傍の騒しいのにもかかわらず、森とした藪蔭に、細い、青い光物が見えたので。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
弓が上手で、のちにお城に、もののけがあって、国の守が可恐い変化に悩まされた時、自から進んで出て、奥庭の大椿に向っていきなり矢を番えた。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
作例 · 標準
例句