竹の子
たけのこ
名詞
標準
文例 · 用例
垣の竹の子きぬゝぎすてゝ、まき葉にかゝる朝露の新らしきを見るもいと恥かしうこそ。
— 樋口一葉 『あきあはせ』 青空文庫
例えば小督局の廃跡を訪うて咏んだという句、うきふしや竹の子となる人の果 の如きも、理解のない鑑賞で見る限りは、単なる観念的の俳句であって、子規のいわゆる月並臭の駄句にしか感じられない。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
淋しい田舎の古い家の台所の板間で、袖無を着て寒竹の子の皮をむいているかと思うと、その次には遠い西国のある学校の前の菓子屋の二階で、同郷の学友と人生を論じている。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
――俗に、豆狸は竹の子の根に籠るの、くだ狐は竹筒の中で持運ぶのと言うんですが、燈心で釣をするような、嘘ばっかり。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
路ばたでも竹の子のずらりと明るく行列をした処を見掛けるが、ふんだんらしい、誰も折りそうな様子も見えない。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
何、竹にして売る方がお銭になるから、竹の子は掘らないのだと……少く幻滅を感じましたが。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
……さて、あれほどの竹の、竹の子はどんなだろう。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
おぼろ/\と霞むまで、暑き日の静さは夜半にも増して、眼もあてられざる野の細道を、十歳ばかりの美少年の、尻を端折り、竹の子笠被りたるが、跣足にて、「氷や、氷や。
— 泉鏡花 『紫陽花』 青空文庫