苜蓿
うまごやし
名詞
標準
文例 · 用例
苜蓿を私の田舍では「ぼくさ」と呼んでゐるが、その子守は私と三つちがふ弟に、ぼくさの四つ葉を搜して來い、と言ひつけて追ひやり私を抱いてころころと轉げ※つた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
血の気を増す苜蓿の匂いがした。
— 岡本かの子 『百喩経』 青空文庫
にごり屋の軒下へ車を預けて、苜蓿のしとったような破毛布を、後生大事に抱えながらのそのそと入り込んで、鬼門から顔を出して、若親方、ちとお手伝い申しましょうかね……とね。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
往来の少ない通りなので、そこには枯れ枯れになった苜蓿が一面に生えていて、遊廓との界に一間ほどの溝のある九間道路が淋しく西に走っていた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
修道院鐘の音|美しまさしくもここのみ空は蒼うかかれり空晴れて鐘の音|美し苜蓿の受胎の真昼近づきにけり空晴れてまた事もなし山なだり茶の毛ごろもの群れのぼりつつ乳酪工場の附近を逍遥した。
— 北原白秋 『海阪』 青空文庫
そうして周りの、紫の玉を綴った紅苜蓿や、四つ葉の黄の花の馬肥やとすれすれに落ちついたいい静まりを匂わしていた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
秋とはいっても北地のこととて、苜蓿も枯れ、楡や※柳の葉ももはや落ちつくしている。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
此所は夏の初めになると苜蓿が一面に生える。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫