第一人称
だいいちにんしょう
名詞
標準
first person
文例 · 用例
前掲の三編の小説を通じて、第一人称の主人公があって、明智小五郎という素人探偵がでてくるところは、たとい無意識的であるにもせよコナン・ドイルの模倣である。
— ――特に江戸川乱歩氏に就て―― 『日本の近代的探偵小説』 青空文庫
朕はタラフク食っている、というプラカードで、不敬罪とか騒いだ話があったが、思うに私は、メーデーに、こういうプラカードが現れた原因は、タラフク食っているという事柄よりも、朕という変テコな第一人称が存在したせいだと思っており、私はそのことを、当時、新聞に書いた。
— 坂口安吾 『天皇陛下にさゝぐる言葉』 青空文庫
これが諷刺の効果をもつのは、朕という妙テコリンの第一人称が存在したからに外ならぬのである。
— 坂口安吾 『天皇陛下にさゝぐる言葉』 青空文庫
この流儀の奥儀をきわめた張本人が宮内省というところで、天皇服をこしらえたり、朕という第一人称を喋らせたり、特別な敬語を使わせたり、たゞもうムヤミに、実質のないところに架空な威厳をあみだして、天皇を人間と違わせようと汲々たるものだ。
— 坂口安吾 『天皇陛下にさゝぐる言葉』 青空文庫
記された事件の内容は、絢爛たる歌舞伎の舞台に、『京鹿子娘道成寺』の所作事を演じつつある名代役者が、蛇体に変じるため、造りものの鐘にはいったまま、無人の内部で、何者かのために殺害され、第一人称にて記された人物が、情況、及び物的証拠によって、犯人を推理する――というのである。
— 酒井嘉七 『京鹿子娘道成寺』 青空文庫
昨夜は、学校で習はなかった文典(動詞だの名詞だの第一人称だの二人称だの属格だの主格だのといふ事)を教はりました。
— 知里幸恵 『手紙』 青空文庫
たいがいの書物ではという第一人称は抜きにされている。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
われわれはふつう、話をするものは結局第一人称であることを忘れている。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
作例 · 標準
小説を書く際、第一人称の「僕」を視点にすることで、読者が主人公に感情移入しやすくなる。
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この手記は第一人称で書かれており、当時の極限状態にあった著者の心理が生々しく伝わってくる。
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第一人称代名詞には「私」「俺」「自分」など多様な表現があり、日本語の複雑さを象徴している。
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