魔味
まみ
名詞
標準
文例 · 用例
私は、十数年前上州花咲峠の奥の、武尊山の峭壁に住んでゐた野猿を猟師から買ひ受け、その唇を味噌煮にこしらへて食べたことがあるが、軽い土臭と酸味を持つてゐて、口では言ひ現せぬ魔味を感じたのであつた。
— 佐藤垢石 『たぬき汁』 青空文庫
鰒は、食べては魔味に類するけれど、釣りに邪魔物である。
— 佐藤垢石 『飛沙魚』 青空文庫
魔味とはこの肉膚を指すのではないかと思う。
— 佐藤垢石 『魔味洗心』 青空文庫
この鮮醤の持つ舌への感覚は魔味と称して絶讃するほかに言葉がないであろう。
— 佐藤垢石 『魔味洗心』 青空文庫
山女魚の風趣も魔味の一つに数えられると思う。
— 佐藤垢石 『魔味洗心』 青空文庫
五 河豚の魔味に、陶酔する季節がきた。
— 佐藤垢石 『海豚と河豚』 青空文庫
思い出しただけで、舌端に魔味迫り来たるを覚える。
— 佐藤垢石 『海豚と河豚』 青空文庫
碗の縁を啜って、口腔に含むとその媚、魔味に似て酒杯に華艶な陶酔を添えるのであった。
— 佐藤垢石 『すっぽん』 青空文庫