行き合い
ゆきあい
名詞
標準
文例 · 用例
こうすれば、行き合い捕りと云うことになって、誰にも迷惑はかかりません。
— 廻り燈籠 『半七捕物帳』 青空文庫
金蔵は行き合い捕りになっているのだから、お前さんの家に係り合いはねえ筈だ」「わたくしの家へは来ないかもしれませんが、もしや三甚さんの方へでも来るようなことがあると大変だと申して、娘は泣いて騒いで居りますので……」 娘に泣いて騒がれて、お力は三甚の保護を頼みに来たのである。
— 廻り燈籠 『半七捕物帳』 青空文庫
そうしてまた坂の下でお嬢さんに行き合いました。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
もしや蟹口のトラックに行き合いはしないだろうかと思ってヒヤヒヤしいしい運転して行くところへ、向うから来たトラックがヘッド・ライトを消したから、こちらも直ぐに消したが、その消した瞬間に、蟹口の頑固な顎と、物凄く光る眼が、真正面に見えたのでゾッとしてスレ違った。
— 夢野久作 『衝突心理』 青空文庫
我々は路を問う可き人を追越しもしなければ、行き合いもしなかった。
— 日本その日その日 『日本その日その日』 青空文庫
それがちょうど肥後と天草島との間、鼠の隠れ里の沖あたりで行き合い、船をとどめて互いに行く先の様子を尋ね、向うにも食べる物がちっとも無いと聴いて、泣きながら一匹ずつ海に入ってしまうという話であった。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫