睦み
むつみ
名詞
標準
文例 · 用例
其と同じに日本国中、何処ともなう、或年或月或日に、其の人が行逢はす、山にも野にも、水にも樹にも、草にも石にも、橋にも家にも、前から定まる運があつて、花ならば、花、蝶ならば、蝶、雲ならば、雲に、美しくも凄くも寂しうも彩色されて描いてある…手を取合ふて睦み合ふて、もの言つて、二人居られる身ではない。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
まだ少年らしい弟の侍従も、この人を姉の婿にして、同じ家の中で睦み合いたいと願っていた。
— 竹河 『源氏物語』 青空文庫
かかる野心のありとも知らず、妾はなお昔の如く相親しみ相睦み合いしに、ある日重井よりの書翰あり、読みもて行くに更に何事とも解し得ざりしこそ道理なれ、富子は何日か懐胎してある病院に入院し子を分娩したるなり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
ここが松島と今の若い姐さんの品子と、朝夕に睦み合った恋愛生活の巣で、銀子たちはうっかりそこへ上がってはならず、伝票を渡すにも段梯子の三四段目から顔だけ出すというふうであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
二人は初めほど睦み合っては歩けなくなった。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
これやこの人の我が掌に相|睦み和むを見れば、今さらに喜ぶ見れば、この我やみぎりひだりに、とみかう見涙しながる。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
これやこの人の我が掌に相|睦み和むを見れば、今さらに喜ぶ見れば、この我や、みぎりひだりにとみかう見涙しながる。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
どうか此の二人を結び合わせて、末長く睦み暮らそうではないか。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫