鞭声
べんせい
名詞
標準
文例 · 用例
又或る先生の処では正月前後にカルタ会を開き、新婚の夫人も交つて賑やかに夜を更かし、寒月の映る河岸を「鞭声粛々」で帰つて行つたりした。
— 寺田寅彦 『蓑田先生』 青空文庫
ひとしきり歌がやんだと思うと、不意に鞭声粛々とたれやらがいやな声でわめく。
— 寺田寅彦 『竜舌蘭』 青空文庫
斉しく左右へ退いて、呆気に取られた連の両人を顧みて、呵々と笑ってものをもいわず、真先に立って、 鞭声粛々!
— 泉鏡花 『葛飾砂子』 青空文庫
鞭声粛々夜河を渡った彼の猛烈な謙信勢が暁の霧の晴間から雷火の落掛るように哄と斬入った時には、先ず大抵な者なら見ると直に崩れ立つところだが、流石は信玄勢のウムと堪えたところは豪快|淋漓で、斬立てられたには違無かろうが実に見上げたものだ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
鞭声粛々夜河をわたる。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
先ず鞭声粛々時代といえばいえる。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
その私たちの学生時代からたった十幾年経た今日、時代は急速に移って、鞭声粛々という文字を私でさえ忘れかかっている。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
先ず鞭声|粛々時代と云えば云える。
— 小出楢重 『油絵新技法』 青空文庫