映出
映出
名詞
標準
文例 · 用例
見なれた平凡な器械でも適当に映出されるとそれが別な存在として現われ、実物では見のがしている内容が目に飛び込んで来るのである。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
われわれの日常生活において日常交渉のあるさまざまな人間の生きたタイプを映出することができないものであろうか。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
また広重をして新東京百景や隅田川新鉄橋めぐりを作らせるのも妙であろうし、北斎をして日本アルプス風景や現代世相のページェントを映出させるのもおもしろいであろう。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
もっとも物理的機構にたよる活動映画では、物質的実在世界の未来は写されないし、フィルムに固定されなかった過去は永久に映出し得られない。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
このワシントンの「熱波」の記憶にはこのデヴィルド・クラブとあのニグロの顔とが必ずクローズアップに映出されるのである。
— 寺田寅彦 『夏』 青空文庫
スクリーンにこの光の舞踊を思わせるものが適当に映出される。
— 寺田寅彦 『耳と目』 青空文庫
この光景の映写の間にこれと相錯綜して、それらの爆撃機自身に固定されたカメラから撮影された四辺の目まぐるしい光景が映出されるのである。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
――夜目には縁も欄干も物色われず、ただその映出した処だけは、たとえば行燈の枠の剥げたのが、朱塗であろう……と思われるほど定かに分る。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫