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糸車

いとぐるま
名詞
1
標準
spinning wheel
文例 · 用例
その頃のわが家を想い出してみると、暗いランプに照らされた煤けた台所で寒竹の皮を剥いている寒そうな母の姿や、茶の間で糸車を廻わしている白髪の祖母の袖無羽織の姿が浮び、そうして井戸端から高らかに響いて来る身に沁むような蟋蟀の声を聞く想いがするのである。
寺田寅彦 重兵衛さんの一家 青空文庫
この辺の人が、セント・ジョルジ・ギルドの人たちのように、糸車を挽いて、木綿を手織って衣ているかどうかを知らないが、風呂の水も、雑用の水も、熔岩の下から湧く渓河から汲み上げて、富士の高根の雪解の水と雨水との恩恵の下に、等分に生きていることを思うと、富士の裾野の水々しさに、一倍の意義があると思われる。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
おふくろが、昔、雨の日に、ぶん/\まわして糸を紡いだ糸車は、天井裏の物置きで、まッ黒に煤けていた。
黒島傳治 浮動する地価 青空文庫
鼠が時に、その上にあがると、糸車は、天井裏でブルン/\と音をたてた。
黒島傳治 浮動する地価 青空文庫
ちょうどそのころに枕もとのガラス窓――むやみに丈の高い、そして残忍に冷たい白の窓掛けをたれた窓の外で、キュル、キュル/\/\と、糸車を繰るような濁ったしかし鋭い声が聞こえだす。
寺田寅彦 病院の夜明けの物音 青空文庫
この祖母の「思い出の画像」の数々のうちで、いちばん自分に親しみとなつかしみを感じさせるのは、昔のわが家のすすけた茶の間で、糸車を回している袖なし羽織を着た老媼の姿である。
寺田寅彦 糸車 青空文庫
紋付きを着て撮った写真や、それをモデルにしてかいた油絵などを見ても、なんだかほんとうの祖母らしく思われないが、ただ記憶の印象だけに残っているこの「糸車の祖母像」は没後四十六年の今日でも実に驚くべき鮮明さをもって随時に眼前に呼び出される。
寺田寅彦 糸車 青空文庫
この糸車というものが今では全く歴史的のものになってしまったようである。
寺田寅彦 糸車 青空文庫
作例 · 標準
舞台の小道具として、昔の農家で使われていたような素朴な糸車を用意した。
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キィキィと軋む糸車の音が、静かな冬の夜の部屋に響き渡っていた。
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眠れる森の美女は、呪いのかかった糸車の針に指を刺して深い眠りに落ちてしまった。
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伝統工芸の工房では、今でも職人が手回しの糸車を使って上質な絹糸を紡いでいる。
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ウィキペディア

糸車 とは、糸を紡ぐための装置で、ホイール(輪、車輪)があるもの。(中でも、人力で動かすもの)。紡ぎ車(つむぎぐるま)、糸紡ぎ車(いとつむぎぐるま)、手紡ぎ機(てつむぎき)、紡毛機(ぼうもうき)とも。

出典: 糸車 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0