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悪戯者

いたずらもの
名詞
1
標準
文例 · 用例
そうして彼の、かねてからの文芸愛好の情に油をそそいで燃えあがらせた悪戯者として、あの一枚の幻燈の画片を云々するよりは、むしろ、日本の当時の青年たちの間に沸騰していた文芸熱を挙げたほうが、もっと近道なのではあるまいかとさえ私には思われる。
太宰治 惜別 青空文庫
あるいはまた、佳人薄命、懐玉有罪、など言って、私をして、いたく赤面させ、狼狽させて私に大酒のませる悪戯者まで出て来た。
太宰治 懶惰の歌留多 青空文庫
或る時など小学校随一の悪戯者が校門近くの道路に陥穽を掘つて友達をいぢめやうとしたのを学校の垣根の蔭で眺めた私はそれをさへ先生や友達に知らせる気持になれない。
岡本かの子 小学生のとき与へられた教訓 青空文庫
そつと悪戯者の背後に駈け寄つて陥穽の上を板片で覆つて土をかぶせてカモフラージしてゐる彼を力一杯押した。
岡本かの子 小学生のとき与へられた教訓 青空文庫
左右を※して、叱りもしない、滝太郎の涼しやかな目は極めて優しく、口許にも愛嬌があって、柔和な、大人しやかな、気高い、可懐しいものであったから、南無三仕損じたか、逃後れて間拍子を失った悪戯者
泉鏡花 黒百合 青空文庫
」 小夜子にもちょっと悪戯者らしいところがあった。
徳田秋声 仮装人物 青空文庫
仁右衛門は悪戯者らしくよろけながら近寄ってわっといって乗りかかるように妻を抱きすくめた。
有島武郎 カインの末裔 青空文庫
「ほれ見ろやい、末ちやんこんな絵本が出て来たぞ」「それや私んだよ、力三、何処へ行つたかと思つて居たよ、おくれよ」「何、やつけえ」 と云つて力三は悪戯者らしくそれを見せびらかしながらひねくつて居る。
有島武郎 お末の死 青空文庫