連翹
れんぎょう異読 レンギョウ
名詞
標準
weeping forsythia (Forsythia suspensa)
文例 · 用例
復一にはうまいのかまずいのか判らなかったが、連翹の花を距てた母屋から聴えるのびやかな皺嗄声を聴くと、執着の流れを覚束なく棹さす一個の人間がしみじみ憐れに思えた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
敷居の外の、苔の生えた内井戸には、いま汲んだような釣瓶の雫、――背戸は桃もただ枝の中に、真黄色に咲いたのは連翹の花であった。
— 泉鏡花 『雛がたり』 青空文庫
光った数珠の玉は連翹の撓った小枝に溜った氷雨か雫であった。
— 岡本かの子 『褐色の求道』 青空文庫
鶯は稀だが俺達のあしおとを聞いて、茱萸や連翹の木蔭から雉子や山鳥やかけすの類が頓狂な声を立てゝ飛び立つたり、間もなく蕨の芽が萌えようとしてゐる夢のやうに伸び渡つた草原を一散に駆けて行く野兎の姿が点となるまで見極められるなどといふことは、珍らしくない。
— 牧野信一 『春の手紙』 青空文庫
連翹なのか、白い花が森にさしかからうとする行手の栗林の堤のあたりにちらちらと見へ、莱畑の向うには桃の花が、砂日傘をひろげたやうに霞むでゐた。
— 牧野信一 『繰舟で往く家』 青空文庫
卯花や連翹の花が真盛りで、水ばかりでなしに、上から見降すと、水煙りにぼかされた花の姿までが、煙りの渦巻のやうに見えた。
— 牧野信一 『滝のある村』 青空文庫
黄ろい眼をした連翹。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
幹といえば、蒼味がかッた連翹色で、葉といえば、鼠みともつかず緑りともつかず、下手な鉄物細工を見るようで、しかも長いっぱいに頸を引き伸して、大団扇のように空中に立ちはだかッて――どうも虫が好かぬ。
— イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 『あいびき』 青空文庫
作例 · 標準
庭の生垣に植えた連翹が、春の訪れとともに鮮やかな黄色の花をいっぱいに咲かせた。
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漢方薬の処方箋を見ていたら、解熱や消炎の目的で連翹が配合されていることに気がついた。
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花瓶に生けられた連翹の枝から、新しい葉が少しずつ顔を出し始めている。
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