寓喩
ぐうゆ
名詞
標準
allegory
文例 · 用例
ところが、その寓喩は、実際とは反対なのでございました」「いや、そういう童話めいた夢ならば、改めてゆっくりと見てもらうことにしよう――今度は監房の中でだ」と熊城が毒々しげに嘯くと、法水はそれを窘めるように見てから、伸子に云った。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
「しかし、私が精神萌芽と申しましたのは、要するに寓喩なのでございます。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
とにかく、貴女様の寓喩は、全然実際とは反対なのでございます」 その時旗太郎が、妙に老成したような態度で、冷たい作り笑いを片頬に泛べた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それで、ふと黄から紅に――という一言を、アレキサンドライトと紅玉の関係に、寓喩として使ってみた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
これは、読んで読んで鼻についたほどの、アリスの不思議国行脚ですけど、このなかには、青蟲や泣き海亀やロック鳥などが、この世にない、ふしぎな会話をかわし人真似をしながら、暗喩寓喩の世界を真しやかに語りだすのです。
— 小栗虫太郎 『方子と末起』 青空文庫
作者は、かく時代をへだてた二つの物語をつらね、その寓喩と変転の線上で、海底の惨劇を終局まで綴りつづけていきたいのである。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫