吾妻下駄
あずまげた
名詞
標準
Azuma geta
文例 · 用例
廓に馴れた吾妻下駄、かろころ左褄を取ったのを、そのままぞろりと青畳に敷いて、起居に蹴出しの水色|縮緬。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
が、姿は雨に、月の朧に、水髪の横櫛、頸白く、水色の蹴出し、蓮葉に捌く裾に揺れて、蒼白く燃える中に、いつも素足の吾妻下駄。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 つむじ曲りが、娑婆気な、わざと好事な吾妻下駄、霜に寒月の冴ゆる夜の更けて帰る千鳥足には、殊更に音を立てて、カラカラと板を踏む。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
柳に銀の舞扇十三 鐘さえ霞む日は闌に、眉を掠める雲は無いが、薄りとある陽炎が、ちらりと幻を淡く染めると、露地を入りかけた清葉は、風説の吾妻下駄と、擦違うように悚然とした。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
格子の音はカラカラと高く奥から響いたけれども、幸に吾妻下駄の音ではなくて、色気も忘れて踏鳴らす台所|穿の大な跫音。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
ほんのりと一重桜、カランと吾妻下駄を、赤電車の過ぎた線路に遠慮なく響かすと、はっと留楠木の薫して、朧を透した霞の姿、夜目にも褄を咲せたのは、稲葉家のお孝であった。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 吾妻下駄をからりと鳴して、摺下る褄を上衣の下に直した気勢。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
と顧みて、そこで、ト被直して、杖をついた処、お孝は二つばかり、カラカラと吾妻下駄を踏鳴らした。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
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