山暮
やまぐらし
名詞
標準
文例 · 用例
とくに、この家での生活は、解毒剤として、開成山暮しを必要とする。
— 一九四四年(昭和十九年) 『日記』 青空文庫
こんな山暮らしをしてゐると、小説のやうな俗な仕事にとりかかる興味がますます無くなりさうだ。
— 堀辰雄 『手紙』 青空文庫
「雉子日記」などを殘したきりで、去年の冬ぢゆう、雪の林のなかなどにそんなレクヰエムを求めながら一人でさまよつてゐた頃の、いま思ふと自分の痛々しいやうな姿が、この冬のこんな山暮らしをしてゐる自分の裡にそつくりそのまま蘇つてきて、其處においてはじめてその形體を得た、とまあ言へないこともないでせう。
— 或女友達に 『七つの手紙』 青空文庫
が、今年はどうも私の身体が変調なので、そろそろこんな山暮しを切り上げようかと考えていた矢先だった。
— 堀辰雄 『木の十字架』 青空文庫
山林巡視の役人連中も、長い山暮しの帰り途らしく、隣室で、とってきた蝮を火鉢であぶりながら、酒盛りなど始めるのもある。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫