旧幕
きゅうばく
名詞
標準
the old feudal government
文例 · 用例
室子の家の商売の鼈甲細工が、いちばん繁昌した旧幕の頃、江戸|大通の中に数えられていた室子の家の先代は、この引き堀に自前持ちの猪牙船を繋いで深川や山谷へ通った。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
其内で私は歴史的に読者の過去を蕩揺する、草双紙とか、薄暗い倉とか、古臭い行灯とか、または旧幕時代から連綿とつづいている旧家とか、温泉場とかを第一に挙げたいと思います。
— 夏目漱石 『木下杢太郎著『唐草表紙』序』 青空文庫
「古老の話によると、旧幕以来、こういう災害のあとには金魚は必ず売れたものである。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
父のYは旧幕の権臣の家の後嗣者であつた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
こゝが、いま僕を怯え上るほど悩み続けさしている問題の核心なのだから――」 池上の家の瀬戸物町の麻問屋は、旧幕時代から暖簾を続けた旧舗なのだが、息子の清太郎に取って玄祖父に当る主人太兵衛が偉かった。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
船宿の女将が船の舳に手を添えて何の力草にはならなくとも、「いってらっしゃいまし」と押し出す所作のあるのは、旧幕の頃、この辺から猪牙で山谷堀や深川へ遊客が通った時分の名残りの風習だということです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
千代重が入り込んだ踏花園は、旧幕時代評判の下屋敷の庭を、周囲の住宅の侵蝕から、やっと一角だけ取り残したという面影を留めている園芸場で、西南の市外にあった。
— 岡本かの子 『唇草』 青空文庫
その後秀吉が築堤してから、元は尾張に属していたのを何か心あって美濃の所領に移したものだと、「旧幕の頃には天領として郡代が置かれたものでして、ついこの下の土手に梟首場の跡がございますが」と町長、椅子から伸び上った。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
作例 · 標準
旧幕の時代には、各地に独自の文化が育まれた。
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維新後、旧幕の役人たちは新しい政府の要職に就いた者もいる。
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旧幕が倒れた後も、その影響は長く残った。
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この地域には、旧幕が定めた法が色濃く残っている。
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