棟割
むねわり
名詞
標準
文例 · 用例
こちとらの雀は、棟割長屋で、樋竹の相借家だ。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
棟割に住んでるから、壁隣の賑かなのが頼もしいや。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
佐内坂の崖下、大溝通りを折込んだ細路地の裏長屋、棟割で四軒だちの尖端で……崖うらの畝々坂が引窓から雪頽れ込みそうな掘立一室。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
一體三間ばかりの棟割長屋に、八疊も、京間で廣々として、柱に唐草彫の釘かくしなどがあらうと言ふ、書院づくりの一座敷を、無理に附着けて、屋賃をお邸なみにしたのであるから、天井は高いが、床は低い。
— 泉鏡太郎 『くさびら』 青空文庫
……これから先、その蓬莱町、平野町の河岸へ行つて、船の棟割といつた處をご覽なさい。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
早い話が、此の家にしても然うじやないか、三軒の棟割長屋を二軒まで田舎者に占領されてゐる。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
」 気の早い銀子の父親が、話がきまるとすぐ東京へ飛び出して行き、向島の請地にまだ壁も乾かない新建ちの棟割を見つけて契約し、その日のうちに荷造りをしてトラックで運び出してしまい、千葉を引き払った銀子たちがそこへ落ち着いたのは、夜の八時ごろであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
開拓使時分に下級官吏の住居として建てられた四戸の棟割長屋ではあるが、亜米利加風の規模と豊富だった木材とがその長屋を巌丈な丈け高い南京|下見の二階家に仕立てあげた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫