没却
ぼっきゃく
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
ignoring
文例 · 用例
ただ相違の点は、一方ではそれ自身には全く無意味な光った線が踊り子の役をつとめているのに、他方では一人一人に生きた個性をもった人間の踊り子が画面ではほとんどその個性を没却して単に無意味な線条を形成している、というだけである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(4)』 青空文庫
俺だつて一個の人間であつて見れば、何時まで自己を没却して、此様に苦しむでゐる、ことあ有りやしない。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
戦争をしている国民が、より多く自国の国力に適合する平和の為という目的を没却して、戦争その物に熱中する態度も、その一つである。
— 石川啄木 『性急な思想』 青空文庫
甚だしきに到っては元来|上懸の発声と仮名扱いを以て謡うべき観世流の人々までが、滔々として翁一流の下懸式|呂張を根柢とした豪壮一本調子な喜多流|擬いの節調を学び初め、観世流の美点を没却した憾があった。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
私は復た櫟林に没却して此の静かな村の空気を吸はねばならぬことになつた。
— 長塚節 『隣室の客』 青空文庫
百合の白さは到底霧のために没却されるものでないといふことを此の時自分は知つたのである。
— 長塚節 『しらくちの花』 青空文庫
芸術的な香気とか、個性的な精進などゝいふものが全く没却されて、何処に文学があり、読者の悦びが見出されるか疑問とせずには居られない。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
あたりには松が風に鳴つて、かうしたシインの中に、『時』が無限に没却して行くさまをそれとなしに私に思はせた。
— 田山録弥 『知多の野間で』 青空文庫
作例 · 標準
彼は会議での反対意見を没却し、自分の提案を強行した。
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過去の過ちを没却せず、そこから学ぶ姿勢が大切だ。
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顧客の声を没却した結果、その製品は市場から姿を消した。
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