悠容
ゆうよう
形容動詞
標準
文例 · 用例
河口はとにかく、犬山からこの笠松までの悠容たる大景を下流にして、初めて中流の日本ライン、上流の寝覚、恵那の諸峡が生きるのである。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
其の時伊藤君は、人麿といふ人は、あの悠容として迫らない作風を見るとどうしても肥つた人に違ひないと言ふ。
— 長塚節 『知己の第一人』 青空文庫
「さあ、こっちへ来い」 白木は、にっこり笑いながら、悠容とせまらない態度でいった。
— 海野十三 『暗号音盤事件』 青空文庫
」 五郎はニヤリと笑つて、悠容とギターを傍に置いた。
— 神西清 『水と砂』 青空文庫
」のところでひとしきり噺し立てたあと、さらにあの悠容迫らざる調子で花橘、「ハテこの猫、なにを見ましたんやしらん」となぞって、またもういっぺん囃子を入れさせているのには、思わずふきだしてしまった。
— 正岡容 『艶色落語講談鑑賞』 青空文庫
煙が玄関を通って中庭の方に流れて行くのが、悠容たる趣きがあった。
— 梅崎春生 『風宴』 青空文庫