蘖
ひこばえ
名詞
標準
sprouts from a stump
文例 · 用例
やっと仕付かった所も少しも分蘖せず赤くなって実のはいらない稲がそのまま刈りとられずに立っていた。
— 宮沢賢治 『或る農学生の日誌』 青空文庫
二本の木が一二丈の高さのところで一本に結ばりついて真直ぐに立って行っているのもあれば、横倒しに倒れた大きな直い幹から直角に伸び出でた枝とも蘖ともつかぬ二三本がそれぞれ一抱え以上の大きな木となって並び立っているのもある。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
後来|梁川星巌をして其死を聞きて人伝麹蘖遂為災と歌はしめたる程の大酒家も三十九齢の当時までは酒量極めて浅かりし也。
— 山路愛山 『頼襄を論ず』 青空文庫
黒々と成育し分蘖しはじめた一つの稲株を見ると、浩平はとにかく得意の鼻をうごめかさずにはいられなかった。
— 犬田卯 『米』 青空文庫
「お前さんは、飛んだ怪我をしたやうだね」「大したことは御座いませんが、火傷ですから、始末が惡う御座います」 黄蘖か何かをうんと塗つた顏、熱つぽい唇や眼など、平次は押して物を訊くのが氣の毒に思ふほどでした。
— 酒屋火事 『錢形平次捕物控』 青空文庫
その熱と、その水とに潤されて、地の濃やかな肌からは湿っぽい、なごやかな薫りが立ちのぼり、老木の切株から、なよなよと萌え出した優雅な蘖の葉は、微かな微かな空気の流動と自分の鼓動とのしおらしい合奏につれて、目にもとまらぬ舞を舞う。
— 宮本百合子 『地は饒なり』 青空文庫
大木、蘖、灌木、深く交差した枝、高い草、皆陰惨な存在を保っている。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
ひこばえのやうにひよろ/\した茎からは、老女のちゞれた髪の毛を思はせるやうな穂が見える。
— 平出修 『夜烏』 青空文庫
作例 · 標準
切り株の脇から青々としたひこばえが伸びているのを見つけ、樹木の生命力の強さを感じた。
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古い桜の木が倒れてしまったが、その根元から出たひこばえが数年後に花を咲かせた。
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ひこばえは主幹の栄養を奪ってしまうため、庭木の剪定では早めに摘み取るのが一般的だ。
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