家鼠
いえねずみ
名詞
標準
文例 · 用例
うすぐらい天井の裏には、あの灰色の家鼠がいつぱいになつて巣をかけてしまつた。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
野鼠だつた、家鼠ではなかつた、野鼠でなくては、こんなところには我慢出来ない。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
労働者としての鼠4・11(夕) 世の中に鼠ほどうるさい物はないが、何事にも倹約な蘇格蘭人のハトンといふ男は、近頃普通の家鼠を馴らして、糸紡ぎをさせる事を思ひ付いた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
朝鮮でも野鼠殖えて草を荒らす予防に、正月上子の日その蟄伏した処を焼いて野草の繁茂を謀ったので、支那で一月七日に家鼠を饗するを虫焼きと呼ぶも、本この日野鼠を焼き立てる行事があった遺風だろう。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
上に引いた支那で上子日に家鼠を饗して炒雑虫というを考うるに、最初この日野を焼いて野鼠蟄虫を鏖殺し、その夜家鼠を饗して、汝ら野鼠ごとく焼き殺さるるを好まずば年中音なしくせよ、さすればこの通り饗応しやると、恩威並び行いしより変って鼠の嫁入り祝いとも、子の日の遊びともなったと惟う。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
二 鼠には水鼠またはカハネズミと称して、蹼あってよく水に泳ぎ、小魚を捕って食するものがあると、『本草啓蒙』その他の書には説いているが、私はまだそれを知らぬのみでなく、こちらは陸に上って繁殖しまた悪戯をするのだから話は別であって、つまりは普通の野鼠家鼠にも、海を渡って島々に移動したものがあるのである。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
御承知の通り植民地の一軒家だから、家ねずみ野ねずみも四方から押し寄せてここを巣にしない限りはない、それを一疋の野猫ががんばって居る為に幾分か魔避けの為にはなったと思う。
— 第一冊 植民地の巻 『百姓弥之助の話』 青空文庫