亡児
ぼうじ
名詞
標準
one's dead child
文例 · 用例
また一本をとりて亡児真一に手向く。
— 石川啄木 『一握の砂』 青空文庫
双親老いて若い子の冤刑に逢い、最も悲しい悲しさに涙の絶え間なしといえども、さてあるべきにあらざれば志すサンチアゴ詣でを済まし、三人伴れて出た故郷へ二人で帰る力なさ、せめて今一度亡児の跡を見収めにとサンドミンゴに立ち寄ると、確かに刑死を見届けたその子が息災で生きいた。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
私は亡児の気分のよい時に、小谷さんに二三度聖書を読んでもらったことを思い出した。
— 鷹野つぎ 『窓』 青空文庫
どうかすると亡児も私も肝腎の聖書の言葉よりも、小谷さんが唇を舌の先で濡らす仕ぐさや、瞳をひきよせた眼つきや、足ずりする身ぶりなどに気をとられていた。
— 鷹野つぎ 『窓』 青空文庫
私自身の入院に至るまでの苦境、私の亡児の忍耐多かった短かい生涯、溯れば私の心の傷む思いもそれからそれへと際限がなかった。
— 鷹野つぎ 『草藪』 青空文庫
逗留七日、積る話はそれからそれと尽きなかったが、遂に一言も亡児の事に及ばなかった。
— 西田幾多郎 『我が子の死』 青空文庫
ただ余の出立の朝、君は篋底を探りて一束の草稿を持ち来りて、亡児の終焉記なればとて余に示された、かつ今度出版すべき文学史をば亡児の記念としたいとのこと、及び余にも何か書き添えてくれよということをも話された。
— 西田幾多郎 『我が子の死』 青空文庫
君と余と相遇うて亡児の事を話さなかったのは、互にその事を忘れていたのではない、また堪え難き悲哀を更に思い起して、苦悶を新にするに忍びなかったのでもない。
— 西田幾多郎 『我が子の死』 青空文庫
作例 · 標準
両親は、幼くして亡くなった我が子、亡児をいつまでも忘れられなかった。
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その詩は、亡児への深い悲しみと愛情を歌い上げている。
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子供を亡くした親の悲しみは計り知れない。その痛みを「亡児」という言葉に込める。
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