貸し与える
かしあたえる
動詞
標準
文例 · 用例
こんな人たちのために屋敷を用意し、部屋部屋を貸し与えるのが本陣としての青山の家業で、それには相応な心づかいがいる。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
拒むことはならぬ、是非参るよう……新刀なれども堀川国広、これをそちに貸し与える。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
これを汝にしばらく貸し与える」「えっ、この人を――この遺骸をお貸し下さるとは……」 と、治明博士は、問いかえした。
— 海野十三 『霊魂第十号の秘密』 青空文庫
しかしこの方向への発展は、それが教権への挑戦の武器としてかかげられたる時は正当なる権利を保持したにもかかわらず、その実践的弁証法的発展の中に一つの桎梏として変容し、天才と独創と美の概念が、ややもすれば放恣と個人性と非真実性とに仮託的重要さを貸し与えるの危険性にまで立ちいたるのである。
— 中井正一 『近代美の研究』 青空文庫
すなわちそれはかの天才と独創と美の概念がついにややもすれば放恣と個人性と非真実性とに仮託的重要さを貸し与えるにいたった危険性である。
— 中井正一 『近代美の研究』 青空文庫
しかし注意すべきは、この新しき芸術観、すなわち天才と創造と美の概念は、個人主義勃興期に確立された時は、封建主義への叛逆の武器として、実に正当な権利を保持したるにもかかわらず、天才と独創と美の概念はついにややもすれば、放恣と個人性と非真実性とに仮託的重要さを貸し与えるの危険性をはらんできた。
— 中井正一 『近代美の研究』 青空文庫
正司はその八千円から弟の公金横領の穴ウメに要する金額を貸し与える。
— その十 冷笑鬼 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
それを弟に貸し与えると、彼の手にのこるのはたった百五十円にすぎない。
— その十 冷笑鬼 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫