気を許す
きをゆるす
表現動詞-五段-サ行
標準
to let one's guard down
文例 · 用例
とげある虫ゆえ、気を許すな。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
しかれどもこの小児的の感念は遠からずして破砕せられたり、余は基督教会は善人のみの巣窟にあらざるを悟らざるを得ざるに至れり、余は教会内においても気を許すべからざるを知るに至れり、しかのみならず余の最も秘蔵の意見も、高潔の思想も、勇壮の行績も、余をして基督教会に嫌悪せしむるに至れり。
— 内村鑑三 『基督信徒のなぐさめ』 青空文庫
しかし、それにつけても、だんなにばかりゃ、うっかり気を許すなよ。
— 京人形大尽 『右門捕物帖』 青空文庫
「マスク」やビラが入ると、みんなはオヤジにこそ用心すれ、同じ仲間には気を許す。
— 小林多喜二 『党生活者』 青空文庫
女房の方は病身で、その上に至極おとなしい人間ですから、あまり気を置くこともないのですが、夫の方は――これも正直一方で、眼先の働く人間ではありませんが、それでも一人前の侍ですから、うっかり気を許すわけには行きません。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
一寸気を許すと、夜なかでも独りで立って行こうとするので困ると、看護婦が説明した。
— 宮本百合子 『祖母のために』 青空文庫
因業おやじさえ、懐をひらいて素直な子だと愛されているのに、人に気を許すなよと悪智慧がつけられるか。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
彼は敵地にいる斥候兵のように全身を眼と耳とにして、一分たりとも気を許す事が出来なかったのである。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫