焼筆
しょうふで
名詞
標準
文例 · 用例
奥と申しますのは、あの男が画を描きます部屋で、その日も夜のやうに戸を立て切つた中に、ぼんやりと灯をともしながら、まだ焼筆で図取りだけしか出来てゐない屏風が、ぐるりと立て廻してあつたさうでございます。
— 芥川龍之介 『地獄変』 青空文庫
転じて、西に向いた方を見ると、「最モ美シイ芸術ホド、自分ノ最モ悪イコトヲ自覚シテヰル人間ノ作ニ成ルモノデアル」と焼筆で走らせたものもある。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
与八は焼筆をこしらえて、郁太郎のために板切れへ「いろは」を書かせることを教えながら、自分は地殻を踏んで米を搗いている。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
郁太郎は、この来客にちょっと目をくれただけで、しきりに板の上へ焼筆をのたくらせている。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
奧と申しますのは、あの男が畫を描きます部屋で、その日も夜のやうに戸を立て切つた中に、ぼんやりと灯をともしながら、まだ燒筆で圖取りだけしか出來てゐない屏風が、ぐるりと立て廻してあつたさうでございます。
— 芥川龍之介 『地獄變』 青空文庫